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CLIL SAITAMA(旧名称)

Current Practices and Future Perspectives of Content and Language Integrated Learning (CLIL) in Japan

CLILは、次第に注目を集めています。本サイトは、笹島茂がかかわるCLILの実践やつぶやきを集めたものです。参考にしてください。

CLILアンケート調査


にご協力ください。

2016年9月25日日曜日

Toyo Eiwa CLIL ReNなど 「CLILって何ですか?」調査

あれやこれやで忙しく、すっかりこのブログを書く時間がなくなりました。

7月2日は大成功でした。それをきっかけに

Toyo Eiwa CLI ReNもスタートしました。

さて、この夏は、私の周りではCLILに関しては、多くのことがありました。自分でも学ぶことが多く、CLILというものがどのようなものかは、私の中ではある程度納得できる一つの教育として根付いたと考えられるようになりました。

それとともに、CLILに対してはずいぶん懐疑的な意見を耳にしているのも事実です。裏を返せばその分だけCLILが浸透してきたとも考えられます。

そこで、日本でも定着し、CLILを実践する(あるいは実践しようとする)方も多くなったので、調査をしています。CLILについてみなさんがどう考えているのかを調査する目的です。


簡単な質問です。よろしくお願いします。結果はこのウェブで報告します。

調査の趣旨は、「CLILって何ですか?」という根本的な質問に関して、何度も質問されるからです。

結論から言うと、これに対する答えは難しいです。例えば、英語教育一つとっても、

文法訳読って何ですか?
CLTってなんですか?

などの誰もが当たり前のように使っている用語も同様です。

教育関連の面白さはそう簡単に答えられない人の営みの複雑さにあります。教育を科学することはもちろん重要ですが、「科学する」をここ数十年の英語教育研究の伝統を考え直す必要があると思っています。

CLILは発想はシンプルですが、Integrated(統合した)の意味が広く、かなり異なります。どう統合するかは人により状況により違います。これを判断するのは、CLILを教える教師です。ところがCLILを実践する教師の考えは必ずしも同じではありません。

ということで、ご協力をよろしくお願いします。





2016年5月9日月曜日

Toyo Eiwa CLIL Seminar on 2nd July, 2016

お待たせしました。東洋英和女学院大学でCLIL研究ネットワークを立ち上げます。まだ多少暫定的ですが、とりあえず始めます。

始めるにあたり、オーストラリアより二人のCLIL研究者を招き、セミナーを開催します。ぜひご参加ください。

日時:7月2日(土)午後1時〜5時
場所:東洋英和女学院大学(横浜キャンパス)5号館

予約不要で、無料です。

なぜ、オーストラリアかというと、翌日に行われる大学英語教育学会(JACET)関東支部大会と連動して、ヨーロッパとは違う文脈で発展するCLILを考えようという趣旨です。

また、東洋英和で行っているCLILプロジェクトの話も関連させて、ヨーロッパと離れたCLILのあり方を模索することを目的としています。詳しくは、Toyo Eiwa CLIL ReN を見てください。

これをきっかけに、定期的にCLILの勉強会を開催していきたいと思います。ぜひ、ご参加ください。

2016年4月3日日曜日

東洋英和女学院大学(横浜キャンパス)CLIL セミナー

あれやこれやとしているうちにあっという間に4月になりました。

さぼっているわけではなく、2月、3月とCLILについてはリサーチと実践を続けています。ますます日本的なCLILのあり方を模索しています。

私は、以前から述べていますが、あまりCLILの理論的研究には興味はありません。実践に興味があります。実践のためのリサーチを続けています。東洋英和に来てからはより一層実践を追求しています。

その目的で、東洋英和英語教育(CLIL)研究交流会(東洋英和CLIL ReN)を開催してきました。詳しくは、https://www.facebook.com/toyoeiwaelte/ を見てください。

今年度は、東洋英和女学院大学(横浜キャンパス)で、CLILセミナーを開催します。ぜひご参集ください。詳しくはまた連絡しますが、オーストラリアから二人のCLIL研究者を招きます。概要は下記のとおりです。

日時:7月2日(土) 1時〜 
場所:東洋英和女学院大学(横浜キャンパス)5号館
 内容:CLIL Seminar
講師:Margaret Gearon氏
   Russel Cross氏 (オーストラリアのメルボルン大学)

乞うご期待です。どなたでも参加可能です。無料です。


2016年1月5日火曜日

2016年 CLIL

2016年、あけましておめでとうございます。



前回投稿よりすっかりご無沙汰してしまいました。しかし、私がさぼっている間に日本のCLILは多様に発展しています。私がどうのこうのと言う必要もないほど多くの研究者、教師が関心を持ち、実践が始まっています。嬉しいことです。私の役割は終わったように思います。

それとともに、CLILは決して特別な指導法ではなく、マジックがある訳ではない、ということも、ようやく認識されてきたようです。それでも、CLILには魅力的な面が多々あります。それを日本の英語教育の伝統的な「思い込み(assumption)」を変えるきっかけとしてほしいと思っています。

2015年は、小学校でのCLIL指導法について中心的に考えてきました。小学校英語の指導者はたくさんいますので、私がとやかく口を出すのはどうかと思いますが、私自身はかなり前から小学校の外国語教育や教員養成には関心を持っています。これまで、ヨーロッパの小学校は、CLIL も含めてかなりの外国語授業を見てきました。その中で、CLIL的なアプローチの必要性を痛感して、小学校でのCLILを進めたいと思った次第です。

前回の投稿より、CLILに関してどのようなことをしてきたのかというと、次のような会を始めました。

TOYO EIWA ELTE  https://www.facebook.com/toyoeiwaelte/

東洋英和の法人を中心に、小学校などでの英語教育をCLIL的に考えて、こつこつと勉強会を開いてきました。

また、小学校のCLIL指導法に関する本の出版を模索してきましたが、もうちょっと時間がかかるようです。

さらには、WALS(World Association of Lesson Studies)2015でタイのコンケーンに行き、次のようなタイトルで研究発表しました。

Teachers’ cognitions on Content and Language Integrated Learning CLIL) in primary education

小学校の先生がCLILを実践する授業研究の中で教師認知をふりかえるよいきっかけとなるという趣旨の発表でした。その際に見学したタイの小学校の英語授業でやはりCLIL的な英語教育の必要性を感じました。タイの英語教育は日本とある面でとてもよく似ています。つまり、共通の問題を抱えています。

年賀状はそのときに訪れた小学校の一つでのワンショットです。タイは小学校から英語教育を実施していますが、その実態はかなり多様です。CLIL的なアプローチも始まっています。しかし、私は、タイの実態をちょっと垣間見て、学校教育文化や教師の「学び」に対する考え方を考慮しないと、いくら政策を変えても、大勢は変わらないような印象を持ちました。それでも、小学校の英語の先生にCLILアプローチを勧めて来ました。

それはさておき、2015年の後半は、その他いろいろなことがあり、また私事でもいろいろあり、あっという間に暮れてしまいました。気づいてみたらこのブログも半年ほど更新していませんでした。しかし、私が個人的にあたふたしている間にCLILはますます発展してきました。よい方向に行くことをただただ期待しています。

さて、そこで本題の2016年のCLILを展望してみたいと思います。CLILはどう進展するのでしょうか?

文部科学省の外国語教育政策や教員養成や研修はそれほど悪い方向には向いていないと思います。が、教員がもう少し主体的に活躍できるようなシステムにしてほしいと思います。どうしても上意下達という印象が強いように思います。また、従来の固い形式的な考え方から脱却できていないようです。私自身は、CLILに関しては文部科学省の方に一度話したことがありますが、どうも理解してもらえなかったようです。理由は、外国語(英語)教育に対する伝統的価値観だと思います。

日本の英語教育はそれなりの歴史があり、伝統があります。学習指導要領自体は決して悪いものではありません。また、授業研究にも有益な知見の蓄積があります。英語教育研究や実践のネットワークも誇るべきものがあるでしょう。他国の状況から見ても、優れた実績があります。が、文部科学省的に言うとそれではダメなようです。「英語を使って授業をする」「英語教員の英語力がない」「授業内容が満足できるものではない」「ネイティブスピーカーの力が必要」「ICTを活用すべき」「英語力の到達度を明確に」などなど、改善の余地が多々あり、教員養成のコアカリキュラムを設定し、養成課程を改善し、もっと英語力のある教師を養成する必要があるということのようです。

政策としては、小学校から英語教育を推進し、テストで測定できる英語力を伸ばし、国際的に活躍できる人材を育てる。そのためには、英語教師の英語力を上げ、英語力のある教師を育成し、英語力のあるリーダーが核となって各地域の英語教育を先導する。その結果、学習者の意欲ある者が海外に行くことで英語力を高め、グローバルに活躍できる人材となる。

教員研修に関しては、

集中研修でリーダーを養成(英語教育推進リーダー、中核教員) 

リーダーを中心として各学校で広げる

という、上意下達の方式が踏襲され、英語教育拠点地域の推進や外部試験の利用などを柱としています。

教員研修のほか、ICTを活用することが推進されていますが、昨年の調査では、やはり基礎基本のアナログ的な、読み書き聞く話すという技能が必要だということが報告されています。

OECDの調査:Students, Computers and Learning Making the Connection

このような教育政策の中に、CEFRの考えは導入されていますが、CLILはちょっと外れているようです。この点がヨーロッパのようにはいかない日本の状況だと思います。その批判はこれまで多くの方から聞いています。

それはそれでいいような気がしますが、2016年からの希望は、草の根的にCLILアプローチが浸透することです。

私の2016年のCLIL実践の基本コンセプトは、

『英語授業活動の中で、英語を無理せず使い、言語意識を育み、学ぶ内容について考え、ものの見方や違いに対する理解を培うことをねらいとして、それぞれの状況に合うCLILアプローチを開発する』

このように考えて、どの学習段階でも、どのようなカリキュラムでも、教師の裁量で授業をおもしろく工夫することができると考えています。

ブログの更新は滞ると思いますが、今年もよろしくお願いします。